脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)とは
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は,皮脂の分泌量の多い額部や眉間、小鼻のわき辺りなどいわゆる脂漏部位に出る湿疹のことです。
赤くなり,皮膚がガサガサしてはがれ落ち(鱗屑),油脂性のかさぶたができたりします。ぶつぶつができるタイプもあります。
脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹は体調の影響を受けやすいと言われています。
生理前,寝不足,洗顔不足がきっかけで出てしまうとされています。
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)の原因
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は,マラセチア(Malassezia)というカビ(真菌)が原因であると言われています。
マラセチアは,皮脂(脂分)を栄養として生きている菌であり,頭皮や皮膚の皮脂が多くなることによって,このマラセチアが増殖します。そして,このマラセチアが刺激となって炎症を起こし,脂漏部位(皮脂の分泌量の多い部分)に脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)が出来るとされています。
他には,肝臓が悪いと頭部にできるという説や,ビタミン代謝障害が原因だという説も唱えられています。
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)のスキンケア
◆洗顔と洗髪を大切に
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)のスキンケアとして一番大切なことは,汚れた皮脂を洗い流し,フケも洗い流すことです。
日本美容皮膚科学会監修『美容皮膚科学』(南山堂,2版,202頁)は,脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)の対策として,「石けんやシャンプーで皮膚をきれいに洗い,これら微生物も洗い落とすことが重要である.」としています。
また,和歌山県立医科大学皮膚科学上中智香子先生『Q&Aで学ぶ美容皮膚科ハンドブック』(メディカルレビュー,第1版,198頁)は,「ふけを取り,汚れや微生物を洗い流すために洗髪,洗顔といったスキンケアが第一です。」としています。
他方で,洗い流そうとする余り,皮膚や頭皮に傷をつけてしまってはいけません。ゴシゴシ洗ったりして強く皮膚を擦ってしまうと,余計に皮膚炎を悪化させてしまいます。
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)の場合に,洗顔や洗髪で気をつけないといけないことは,
①石けんなどを使う場合は,よく泡立てて,密度を薄くすること
②傷をつけないように,皮膚や頭皮をなでるようにして洗うこと
③洗浄剤が皮膚に残らないように,十分にすすぐこと
です。
◆ビタミンを摂取し,過度の脂肪分等を控える
漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)のスキンケアとして,ビタミンB2,B6などビタミン剤の補給が効果的といわれています。
また,皮脂を生成する原因となる脂肪分・糖分の摂取は控える方が良いとされています。
他には,寝不足が原因ともいわれていますので,睡眠をよくとることも大切です。
漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)のスキンケアのための洗顔料選び
漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)のスキンケアにおいては,汚れた皮脂やふけ,そして,原因となる微生物を洗い流すことが大切です。
石けんやシャンプーの選び方については,「使用する石鹸やシャンプーは低刺激性のものを選びましょう。」という指摘があります(上記『Q&Aで学ぶ美容皮膚科ハンドブック』198頁。太字は当サイト。)。
まとめ
- 脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)のスキンケアとしては,まずは石けんやシャンプーで,フケ,皮脂,微生物を洗い流すことが大切です。
- 石けんやシャンプーは,低刺激性のものを使いましょう。
- 睡眠を良く取ること,ビタミンB2,B6を摂取して,脂肪分・糖分を控えるなど日常生活にも気をつけましょう。
(公開日2013.1.19)(最終更新日2013.1.19)