アトピー性皮膚炎のスキンケア(基本的なこと)

アトピー性皮膚炎とは?

日本皮膚科学会『アトピー性皮膚炎の定義・診断基準』(日本皮膚科学会雑誌104(1):68-69,1994)は,アトピー性皮膚炎について,「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。」としています。

アトピー性皮膚炎は,一般的には,かゆみを伴い,赤くはれた湿疹ができ,皮膚表面が剥がれ落ちるなどの症状が長く続いていくなどの主な症状があるとされていますが,その症状には様々なものがあります。

アトピー性皮膚炎の診断の基準は,日本皮膚科学会『皮膚科Q&A』のページに掲載されています。

アトピー性皮膚炎の原因は?

アトピー性皮膚炎の原因は,皮膚のバリア機能異常があり,そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています(日本皮膚科学会『皮膚科Q&A』のページ)。

皮膚のバリア機能は,いずれ詳しく記事としてとりあげたいと思います。

簡単にいえば,皮膚のバリア機能とは,角質細胞間脂質,天然保湿因子(NMF),皮脂の3つによって,素肌の潤いを保ち,外部からの異物等の侵入を防ぐものです。
アトピー性皮膚炎の方は,特にセラミド(角質細胞間脂質)が少なくなっており,このバリア機能に異常発生し,外部から皮膚の中にアレルゲンが侵入しやすい状態になっています。

アトピー性皮膚炎のスキンケアの基本

◆アトピービジネスに注意

アトピー性皮膚炎は,症状や原因が複雑で,治りにくく,患者の方の人口も多いものです。
残念なことにアトピー性皮膚炎で困っている,悩んでいることにつけ込んだ悪徳なビジネスもあります。
詳しくは,金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学教室のサイトに記事が掲載されています。

有田市立病院皮膚科医長吉益隆先生『Q&A美容皮膚科ハンドブック』(メディカルレビュー,第1版,156頁)も「無責任な「アトピービジネス」と呼ばれるもの(塗り薬,サプリメント,水など)は避けなければなりません。」としています。

アトピービジネスに惑わされず,正しいスキンケアを身につけることが大切です。

◆スキンケアの基本

アトピー性皮膚炎のスキンケアで大切にしなければならないのは,次の3つです。

  • ①素肌(皮膚)を清浄して,清潔にすること
  • ②素肌(皮膚)を清浄する場合,バリア機能が低下していることに配慮すること
  • ③バリア機能を回復させること

詳しくは,次回以降の記事で書いていきたいと思います。

(公開日2013.1.19)(最終更新日2013.1.19)