洗顔には石鹸が最適

洗顔料といっても,固形石鹸,クリーム状の洗顔フォーム,リキッドタイプの洗顔フォームなど色々な種類がありますし,ものすごく多くのメーカーから数多くの種類の洗顔料が販売されています。
たくさんある洗顔料の中から,どういうタイプのものを選べばよいでしょうか?


石鹸を推奨する意見

「洗顔の理由を明確に答えられますか?正しい洗顔のために洗顔の目的を押さえましょう 」でも述べましたが,洗顔をしなければならない一番の理由は,皮脂膜をきれいに洗い流して,まっさらで綺麗な皮脂膜の状態に戻すことでした。
この洗顔をする目的のためには,石鹸が最適だとされています。

元東北大学教授安田利顕先生著,東邦大学客員教授漆修先生改訂の「美容のヒフ科学」(南山堂,2010,9版)によれば,次のように述べられています(太字部分は当サイトが太字化)。

「俗に『あか』といわれているものは,皮脂膜に外からのほこりがつき,それに皮膚表面から剥がれ落ちてきた角片が混じってできているものである.皮脂の油分と角片のタンパク質がしっかり結合しているため,あかを落とすには皮脂膜ごと皮膚表面から洗い落とすことが必要である.それには石鹸を使うのが最も効果的である」(同書38頁)
「よごれた皮膚は,できるだけ早く,きれいに洗い落とすことが大切である.」「さっぱりと顔を洗ったあとは肌を十分に整えておきさえすれば,肌の状態に応じて何回洗っても差し支えない.もちろん洗顔石鹸で十分である.」(同書133~134頁)
肌をきれいに洗い流すには石鹸が最適で,しかも経済的であることをもっと強調する必要がある.」(同書139頁)

どうして石鹸でよごれが落ちるの?

石鹸は水に溶けて弱アルカリ性になるため,石鹸で洗顔や体を洗うと,素肌が一時的に弱アルカリ性になります。
素肌の表面にある角質は,これによって硬い構造が柔らかくなってゆるみ,肌の余分なよごれが落ちやすくなります。石鹸で洗顔をすれば,石鹸がよごれを皮膚の表面から浮かせて洗い流してくれます。

洗顔をしなければならない一番の理由は,皮脂膜をきれいに洗い流して,まっさらで綺麗な皮脂膜の状態に戻すことですが,このためには石鹸で洗うことがとても大切なのですね。

石鹸は洗浄力がないと意味がない!

石鹸を使って洗顔をする目的は,皮脂膜をきれいに洗い流して,まっさらで綺麗な皮脂膜の状態に戻すことですから,石鹸は,この役割をきちんと果たすために,皮脂膜を綺麗に洗い流して,よごれを素肌からはがしてくれるものでなければ,意味がありません。

水に溶けて弱アルカリ性となって素肌を清浄してくれる普通の石鹸であれば特に問題はありません。

素肌(皮膚)に浸透する,しみこむタイプのものに注意!

石鹸を使って洗顔をする目的は,皮膚の表面のよごれをはがして洗い流すことです。洗顔をする時は,素肌の表面によごれがついている状態のはずです。ですから,素肌(皮膚)に浸透していく,しみこむようなタイプのものを皮膚に付けてしまうことは,よごれが洗い流れないどころが,素肌の表面のよごれを素肌の中に浸透させ,しみこませてしまうという意味で,素肌に悪影響を及ぼしてしまいます。

これは洗顔料の成分を一つ一つみなければ正確には判別はできないと思いますので,できるだけシンプルな石鹸を使うことが素肌のために良いことになると思います。

たとえば,元東北大学教授安田利顕先生著,東邦大学客員教授漆修先生改訂の「美容のヒフ科学」(南山堂,2010,9版)は,「クリームで皮膚の表面にあるものをふくと,逆に表面のものを角層の中にしみこませる働きがある.つまり逆によごれをすりこむおそれがある.」(141頁)と指摘しています。洗顔の時は勿論,クレンジングの時もこれには気を付けたいですね。

まとめ

  1. 正しい洗顔のためには,石鹸を使うのが最も効果的。
  2. 洗顔は,素肌の清浄のためのもの。石鹸も清浄作用を重視。
  3. 素肌にしみこんで浸透するものはNG。

(公開日2013.1.6)(最終更新日2013.1.9)