石鹸の泡パックがいいという話がありますが…
石鹸の良さが述べられるとき,素肌に浸透したり,素肌にとどまって,プラスの効果を与える美容成分が配合されていることが強調されることがあります。
そして,中には,美容成分配合の石鹸の泡を素肌に塗ったままある程度の時間おいて,まるでパックのように使う「石鹸の泡パック」の使用が勧められたり,実際にこのような使用方法がされる場合もあります。
この石鹸の泡パックは,素肌に問題がないのでしょうか?
泡パックは皮膚へのダメージを与える危険性が
石鹸で素肌のよごれが落ちるのは,素肌の表面にある角質が石鹸の弱アルカリと接触することによって硬い構造が柔らかくなってゆるみ,肌の余分なよごれが落ちるからです。
このような働きを持つ石鹸の泡を長時間皮膚に付けたままの状態にしてしまうと,素肌に対する刺激を強く受けて,肌荒れを起こしてしまうとされています。
たとえば,皮膚科専門医の岩本麻奈先生の「パリ在住の皮膚科専門医が教える 女性誌にはゼッタイ書けないコスメの常識」(ディスカヴァー・トゥエンティワン,2010,第1刷,59頁)は,次のとおり指摘しています。
マッサージクリームの代わりのつもりで泡を皮膚に残しておくと、細胞間脂質まで溶かし込んでしまう恐れがあるので、要注意です。
他にも,皮膚科医等からは,洗顔に長時間をかけないようにとの意見が述べられることは少なくありません。
美容成分のケアは洗顔後に行いましょう
石鹸の泡パックは,皮膚を傷つけるおそれがあります。
それに,どうせ泡はすすぎで洗い流してしまうものですから,洗顔後の美容成分によるケアに比べて効率も非常に悪いものです。
効果もそれほど期待できず,皮膚を傷つける恐れのある泡パックは,極力行わないのが【正しいスキンケア】といえます。
まとめ
- 石鹸の泡パックは,効率が悪くデメリットも大の可能性。極力避けましょう。
- 美容成分によるケアは,洗顔後にしっかり行いましょう。
(公開日2013.1.6)(最終更新日2013.1.8)